語られない闇を語る

司法試験、大学受験、労働問題、社会問題などを中心に、あまり語られていない・語りつくされていない闇について語っていこうと思います。苦難と失敗から得た知見を曝け出していく予定です。

結果が大事か、過程が大事か 

 「結果が大事か、それとも過程が大事か」という話は色んなところでよく論争になります。

 世間では、結果しか見ない風潮が強まっていますし、結果さえ出せば何をやってもいいみたいな極端なことを考える人も増えてきているように感じますが、本当に結果が大事で、過程は大事ではないのでしょうか?

 様々な観点から、私の思うところを書きたいと思います。

 

 

○結果は当然大事

・結果を出せば高く評価される

 他者から評価されたいと思うのであれば、結果を出すことが特に大事です。
 というのも、多くの人は結果しか見ません。

 過程も見ようと思えば見えるのかもしれませんが、過程というのは身近にいる人しかなかなか見られないものであり、しっかり過程を見るのは難しいのです。

 評価や判断を下す材料として結果はわかりやすく、過程はわかりにくい。なので、どうしても人は他人を結果だけで評価を下しがちになってしまうのです。それで合理的な判断ができるかは怪しいとしても。

 他人が評価するのは何といってもまず結果です。過程が全く見られないわけではないのですが、結果を出したうえでしっかり過程を経ていれば、過程も評価されるにすぎないのがほとんどです。あくまで過程というのは補強的判断要素にすぎないのです。

 ですので、他者から高く評価されたいと思うのであれば、まずは結果を出すことが重要になるのです。

 

・結果さえ出せば過程はねつ造できる
 結果さえ出してしまえば、過程などねつ造できます。結果に至るまでのプロセスに問題があっても、たまたま運よく結果が出てしまった場合でも、結果さえ出してしまえばどうとでも説明できます。

 それに多くの成功者は話を盛っているものです。お年寄りがいつも過去を美化して話すのと同じことです。若いころは苦労したとか言っている人も、よくよく見たら割と裕福な暮らしをしていたなんてことはよくありますし、結構遊びほうけていたなんてことはよくあります。例えば、野口英世だって賭博や風俗狂いだったという話がありますからね。

 

・死人に口なし
 結果を出せなかった者は、成功者と同等かそれ以上に頑張っていたとしても話題になることはあまりありません。

 スポーツの世界では特に顕著ですが、実際にはそういう人はいっぱいいますが、その人たちが表舞台に上がることはほとんどないのです
 社会的評価を受けたいのであれば結果を出す。それしかない。競争において死人と化した敗者に口なしなのです。敗軍の将、兵を語らずとも言うでしょう。結果を出せなかった人は語ることすらできないのです。

 

 

○しかし、過程もかなり大事だ

・あることで結果を出した人が他のことで結果を出すとは限らない

 前述の結果が大事というのは他人から評価される側の話です。

 他人を評価する側からすれば、結果ばかり見ると、判断を見誤る恐れは高いです。

 というのも、あることで結果を出したからと言って、他のことでも結果を出せるとは限らないからです。

 例えば、経営者や学者として優秀な人が優秀な政治家になれるとは限りませんし、高学歴だからその仕事をバリバリこなせるというわけではありません。

 人は万能ではないのです。得意なことがあれば苦手なこともあるのです。結果を出している以上、ある分野の能力は高いでしょうし、いろんな分野で成功するために必要な要素(熱意、体力、コミュ力など)を持っているとは推測できますが、また別の分野だとか別の事業でも結果を出せるかは未知数です。

 過程部分をしっかり見て、この人はどんな人柄をしているのか、どれだけ努力できる人なのかといったことをしっかり見ないと人選を間違えるおそれはぐっと高まるでしょう。

 

・結果が出るかはいろんな要素によって左右される

 結果というのは、その人の努力や資質にも左右されますが、それと同じかそれ以上に運や環境、他の人の貢献などの要素に左右されます。

 結果は出したものの、たまたま時勢にうまく乗れただけ、たまたまライバルが参入してこなかった幸運があっただけ、上司がめちゃくちゃ優秀でめちゃくちゃ頑張ってくれていただけなんてことはよくあります。私も神戸大学というちょっと良い大学を出ていますが、出題される問題次第では間違いなく不合格になっていたと思います。

 結果を出したからと言って、その人が本当にすごいかは怪しいものです。やはり、ちゃんと過程を見ないとダメです。

 

・結果を出すためには過程を重視すべき

 結果を出そうと思う場合、ただ結果に貪欲になるだけでなく、しっかりした過程を経る必要があります。

 取り組むことのレベルが上がれば上がるほどまぐれでは結果が出ません。東大と京大はまぐれで受からないのです。いや阪大や神戸大でもまぐれでは受からないけど。

yamifuka.hatenablog.com

 真剣に取り組んでも結果は簡単には出ないわけで、やるべきことをしっかりやっておくことが必要になるのです。
 高いレベルのことを成し遂げようと思えば、結果を出そうとやみくもに頑張るだけではなかなかうまくいきません。努力の量を上げるだけではどうしようもありません。質の部分をいかに上げるかが大事になってくるのです。

 そのため、いかに結果までの道のりを整備し、確実に前進するかの過程部分が大事となります。

 

 

 どういう視点を持つか、どういう立場に立つかで結果が大事になることもあれば、過程の方が大事になることもあります。
 評価されるには結果を出すことが大事。評価するには結果も過程も大事。結果を出すためには過程が大事というわけです。


 何やらわかりづらいことを言いましたが、物事はそんな単純に二極化できるものではなくて、より正確に物事を語ろうと思うと、どうしてもわかりにくさをもってしまうものなのです。

 とりあえず、結果も過程も大事ってことにして、不毛で無駄な論争はやめましょう。