語られない闇を語る

司法試験、大学受験、労働問題、社会問題などを中心に、あまり語られていない・語りつくされていない闇について語っていこうと思います。苦難と失敗から得た知見を曝け出していく予定です。

見向きもされず放置される男性へのDVという闇

 テレビやネットの世界では、女性を馬鹿にしている記事が出たり、女性差別と思われることが行われると親の仇というぐらいとことん叩かれる。

 このはてなブログでも女性蔑視的な記事を書いて炎上した事件がたびたび起こっているし、それを目にした人は少なくないだろう。


 しかし、男性が被害者となったり、男性差別と思われたりするようなことがあっても、マスコミは動かないし、大衆もほとんど問題視しない。
 女性が貶められるとあれだけ元気なフェミニストやそれ気取りの人間も、男性が被害者になるときにはだんまりだ。女性以外が被害に遭う分についてはどうでもよくて知らんぷりである。

 

 

 その象徴ともいえるのが、DVだろう。

 ↓の記事にあるように女から男へのDVというのは、ほとんど見向きもされないし、問題にされることすらない。

news.yahoo.co.jp

 

 しかし、実際には、暴言を吐く、人格攻撃をする、給与が少ないなどと罵る、馬鹿にする、無視する、厄介者扱いする、ろくに小遣いをあげない、平手打ちするなどの様々な暴力を受けている男性は世の中にいっぱいいる(暴力の形態としては↓の分類を参照)。

暴力の形態 | 内閣府男女共同参画局

 

 女は、暴力的衝動を引き起こしやすい要素の一つであるテストステロンの量こそ少ないがホルモンバランスの乱れなどで精神的に不安定になりやすいところがあるし(うつ病罹患率は男の二倍)、男は「女を殴るな」と小さい頃から強く教えられるのに対し女はそうでない、女の暴力は問題視されることがほとんどないということで、女から男への暴力が起こりやすい状況が存在しているので、それも当然のことだろう。

 

  ネットを見ても、散々既婚の女が夫の悪口や暴言を言っていたり、ATM扱いをしたりするのを目にするし、夫がぞんざいで酷い扱いをされているのを見るのは全く珍しいことではない。

 夫がゴミのように扱われたり、奴隷のように使われることはむしろままあることではないだろうか。

 


 ちなみに、内閣府の調査(H26)では、配偶者からの被害経験は女性が23・7%、男性は16・6%に及ぶという。

http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/data/pdf/dv_dataH2709.pdf

 この数値に驚く人は多いだろうが、この数字以上に男性の被害は多いかもしれない。

 

 というのも、支援センターへの相談件数を見ると、女性が3200ほどなのに対し男性は60ぐらいしかないし、日本社会において男性は、DVを振るわれていることを隠す傾向にあるからだ。

http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/data/pdf/2014soudan.pdf

 そのことからすれば、実際にはDVを振るわれていても、「これはDVではない」と思い込むことで男のメンツを守ろうとしたり、アンケート調査ですら本当のことを一定な可能性が十分にあるのだ。

 

 ボコボコに殴るなど傍から見てわかりやすい暴力が少ないだけで、女から男への暴力は確かにかなりの数あるのだ。

 調査がされていないのでなんだが、悪質性や心身の負担の重さの点も大して変わらないのではないだろうか。体を殴られるのも心を殴られるのも苦しみは大して変わらないものだし、相手が男であろうと女であろうと暴言や侮辱などはつらいものだ。

 

 

 しかし、男性への暴力はスルーされており、被害者が声を上げられることすらできない状況にある。

  それどころか、なんと男性への暴力や男性差別の話をしだすと、「男らしくない」、「女々しい」と何故か被害者の方が叩かれがちである。

 フェミニストなんて、なぜかモテない男が云々とか意味不明なことを言って叩き出したりする(さすがに既婚の男には言わないかな)。

 

 

 冷静に考えるまでもなく、「差別をやめろ」「暴力をやめろ」などと声をあげることや、権利を主張することは先進国に住む人間にとって当たり前のことである。

 なのに、その当たり前すら男性には許されないかと思うことがたまにある。

 DVはまさにその典型例だろう。男性への暴力や男性差別というのはなぜか見向きもされないのだ。

 

 

 あえてそうなる理由を挙げるとすると、おそらく、肉体的な力関係では男の方が圧倒的有利であること、長らく男が様々な面で強者だったことから、男への暴力だとか男性差別なんて起こらない・ないものだと安易に考えている人が多いからだろう。

 

 しかし、今や夫婦間の力関係は均衡してきている。女もバリバリ働く人が増えているし、男より収入を稼ぐ人だっている。社会環境の変わった現在、男は強者ではなくなってきているのだ。

 それに、肉体的な違いがあるといっても、身体能力が優れているからといって暴力の被害者にならないわけではない。凄まじい肉体をした体育会系の新人社員も、上司にいびられパワハラを受けるものだし、肉体的に勝っているからといって暴力が行われないわけがないのだ。

 

 

 どうも、社会というのは、無形の暴力というものに敏感じゃないし、統計をちゃんと見ないし、先入観が強すぎるし、時代についていけないし、人権意識も乏しいし、男性への扱いがぞんざいすぎる。

 男性へのDVが放置される闇は、こういう社会の様々な問題を象徴するものであろう。やっぱ人間ってダメだわ。早く人工知能に駆逐されるべきだろう。