「選ばなければ仕事はある」とかいう人は、具体的にどんな会社があるのか教えてほしい っていうか就職を斡旋してほしい
世間ではいまだに日本の景気が良かったころの感覚が抜けないのか、無職者やフリーターに対して「選ばなければ仕事はある」と言う人が少なくありません。
しかし、実際に一時期ハローワークに通っていた身としては、「そんな良い会社があるなら教えてよ」、「っていうか就職を斡旋してよ」と声を大にして言いたいので、少しばかり語りたいと思います。
1.「仕事がある」と言う人は求人を見たことがあるのだろうか
よく思うことですが、「選ばなければ仕事はある」という方の一体どれだけが実際にハローワークなどの求人とか見たことあるのでしょうか。そして、四半世紀前やそれ以前などではなく、現在の若者の就職を取り巻く状況を分かったうえで発言しているのでしょうか。
おそらく若者向けの求人など見たことない人が大半でしょうし、ろくに若者の現状も理解していない人が多いのではないかと思います。
私は法科大学院卒でしかも公務員試験に全落ちしたこともあり、実際にハローワークも使って就職先を探しましたが、大卒の人が行きたがる求人なんて地方ではほとんどないですし、仮にあったとしても応募の数がとんでもないことになっていました(当時は金がなかったので地方しか選択肢がなかった)。
具体的に言うと、資格があっても大卒でも時給換算で800円や900円ほどで、しかも週休完全二日制でなく有休何それおいしいの状態の企業がとんでもなく多いですし、それでも応募が殺到するありさまでした。
若ければまだ何とかなる可能性はありますが、性別によっては問答無用で切られますし(求人上は性別不問にするしかないが、実際には当然性別によって差別している)、経験者でもないのに採用されるのは困難です。
(ついでにいうと、私が入社したのはそれに加えて違法行為上等、パワハラ満載、残業代全額支払わないというなぜ辞めないとでも思ったのが理解不能なレベルな会社だ!行政書士の資格とはいったい何だったのか。)
額面で月15万円行かないのは普通ですし、15万円あればいい方で、もし18万もあれば万々歳という感覚であり、一人で暮らすのもやっとの労働条件のところが大半です。とても家庭をもち家族を養える余裕などあるはずもないです。
そんな会社でも応募が殺到して、採用されない人はいっぱいいるわけで、贅沢を言って選りすぐりをしているわけではなくても、仕事はなかなかないのです。
特に学歴や資格がなかったり、若くなかったり、病気を抱えていたりする人は、選ばなくても仕事はありません。
2.仕事があるならひとまず応募するから教えてくれ
地方では一人で暮らすのも大変という労働条件が多く(都会は都会で住居費がかかるので実家住みでないとキツイ)、50代以上の人にとって「まとも」といえる仕事はかなり少ないです。実態はその日暮らしに近く、家庭なんてとてももてません。子どもは贅沢品です。
そして、良くない労働条件でも人が群がる(言葉が悪い)わけでして、「まとも」でない仕事すらなかなかありません。
そんな中、「まとも」といえる会社が本当にあるのなら、是非ともそれを教えてくれという話です。憶測や妄想で「選ばなければ」云々というのではなく、実物を紹介してくれと言いたくなります。
正社員になれなかったり、思うように働き口を見つけられずに苦しんでいる者にとっては、とにかくまともな働き口が欲しいのです。誇りをもって健康で文化的な最低限度の生活がしたいのです。
そんな人にとって、「選ばなければ仕事がある」なんていう妄言はただのストレスにしかなりません。「何言っているんやこいつ。頭悪すぎやろ」と間違いなく思われていることでしょう。
3.とにかく欲しいのは仕事である
仕事がなかったり、よい歳してフリーターというのは、本当惨めな思いをすることが多いですし、肩身が狭く、焦り不安劣等感に襲われます(詳しくは下の記事をご覧ください)。
そんな中、その日暮らしではない、アルバイトの労働条件よりも良い職があれば、当然飛びつきたくなります。
というより、「何とか就職を斡旋してくれませんか」と言いたくなります。
ましてや50代以上の人からみても「まとも」と言えるような労働条件は、無職期間が長くなってしまった人やフリーターにとってかなり貴重です。
仕事を探している人にとっては、とにかく少しでもまともに近い労働条件の会社の下で働きたいのです。
「選ばなければ仕事はある」なんて妄想の話をして時間を潰させるぐらいなら、1つでも2つでも就職をあっせんしてくれという話です。こっちは早く働いて稼ぎたいんだと言いたくなります。
おまけ
私の場合、在籍した会社があまりにもアレだったので一ミリたりとも後悔はありませんが、一般論としては下のような事態になりがちなのでやはり退職は慎重に考えるべきだと思います。
私の場合ですら死ぬほど嬉しかったのは最初の1週間だけでした。仕事がない人はこんな精神状況なんですよ。必要なのは発破をかけることではなく、(良き)就職をあっせんすることなのです。