語られない闇を語る

司法試験、大学受験、労働問題、社会問題などを中心に、あまり語られていない・語りつくされていない闇について語っていこうと思います。苦難と失敗から得た知見を曝け出していく予定です。

移民の受け入れ云々を言う前に、外国人も逃げ出す労働環境をどうにかしないといけないのではないか

 以前から技能実習制度については違法行為、人権侵害の横行が問題視されていましたが、失踪者が5年で1万人を超えるという衝撃的な統計が発表されました。

 

 中には最初から失踪を計画していたような人もいるでしょうがそれでも5年で1万人と言う数字はあまりにも多すぎですし、いかに失踪しそうな人間は審査段階で受け入れを拒否するでしょうから、とてもではないですがそういう人ばかりではないでしょう。

 具体的な割合はわかりませんが、多くは労働環境の酷さから失踪したのではないでしょうか。

 

 日本では最近、少子化により働き手が減ることの対策として移民の積極的な受け入れがぼちぼち議論されるようになってきましたが、事実上労働者として受け入れている面も多い技能実習制度がこのありさまであることを考えると、移民を受け入れてもその移民が失踪するじゃないかという話です。

  インドネシアやフィリピン、ベトナムなどからの看護師の受け入れのケースもそうですが、本格的な移民の受け入れ云々の前に外国人に敬遠される労働環境の改善をしなければダメでしょう。

 

 

 だいたい日本はこの20年平均賃金が上がるどころか下がっています。20年で賃金を倍増している国も少なくなく、日本は相対的に見て豊かな国ではなくなっています。

 今では購買力平価ベースで世界20位ほどであり、イスラエルやイタリアレベルにまで落ち込んでいます。

世界の平均年収 国別ランキング・推移 - Global Note

 

 バブルの時の感覚で未だに日本の賃金は高いと思っている人は実に多いですが、アジア諸国と比べても賃金格差は年々縮まっているのが現状です。20年前には比べ物にならなかった韓国などとも差がかなり詰まっています。この20年でどれだけ日本が落ち込んでしまったのか統計を見て学んでほしい限りです。

 10年後20年後には、経済発展の著しいタイなどと比べてももっと差が詰まっているでしょうし、賃金面での優位性は今より下がります。今でさえ20年前とは比べ物にならないぐらい下がっているというのにです。

 

  そんな中、労働環境がゴミくずのままだと、とてもではないですが日本にわざわざ移民に来ようとは思わないでしょう。

 善良な人ほど日本よりもっと良い条件で他国で働くはずです。

 

 

 そんなわけで労働環境をまともなものにしないと、今後はそもそも移民すら寄り付かないおそれも強いのです。まともな人材は他国に奪われ、本当に困窮の限りを尽くしている難民ぐらいしか来なくなるかもしれません。

 言葉は悪いですが、このままだとモテもしないのに自然と人が言い寄ってくるとでも思っている勘違いブスみたいなことになりかねません。

 

 まずは労働環境をまともなものに近づけ、ゆくゆくは外国人が是非とも働きたくなるような労働環境にしないといけないでしょう。

 賃金の高さで勝負できなくなってきていて、今後はさらにその傾向が強まるわけですから、せめて環境面はよくしろという話です。

 

 まあ、自国民についても、安心して子供を産み育てられるような経済的精神的時間的にゆとりのある労働環境があまり整えられていない現実があるので、自国民の労働環境をまず改善すべきなのでしょうが。