語られない闇を語る

司法試験、大学受験、労働問題、社会問題などを中心に、あまり語られていない・語りつくされていない闇について語っていこうと思います。苦難と失敗から得た知見を曝け出していく予定です。

ビリギャルが慶応に合格した要因を考えてみた

 偏差値30から1年で慶応大学に合格したことで話題となったビリギャルですが、昨日劇場版ドラマが地上波で放送されたので、ビリギャルが慶応に合格した要因を挙げてみたいと思います(原作準拠ではなく、映画準拠で語るので注意)。

 

 

○受験科目数が少なかった
 受験科目が多いとどうしても理解に時間がかかりますし、記憶力が格別優れている人でもなければ覚えないといけない事項をしっかり覚えるのにも手間がかかります。

 それに科目が増えれば、どうしても理解が進まなかったり、思うように成績の伸びない科目が出てくるものです。司法試験だって8科目を仕上げないといけないから難しいと言われているのです。1科目や2科目合格水準の答案を書くだけなら私でもできてます。

 

 実際、早稲田や慶応などの私立大学だと割と短期間の学習で合格できたという話が話題になりますが、東大京大は勿論のことその他の旧帝大クラスでも「○か月で合格」という話が出ることが少ないのは(大京大以外はネームバリューの違いで話が広まらないというのもありますが。)、科目が多くて対策に時間がかかりがちだからというのが大きな理由でしょう。

 

 その点、慶応SFCは英語と小論分だけで受験ができますし、2科目を頑張ればよいだけなので「英語が抜群にできて小論文もなんかできちゃった」みたいな人なら時間はそこまでかからないでしょう。

 いくら1年間必死に努力したビリギャルでも、科目数が7とかになっていると時間切れで成績を上げきれずに終わっていた可能性が高かったでしょうし、受験科目数の限られている慶応SFCを目標に設定したのが良かったのだと思います。さすがに東大だと無理でしょうからね。

 

 

○元々ポテンシャルは高かったと思われる

 ビリギャルは中学入試で私立中学に入っているようであり、出身校候補の高校の中には偏差値が約70(県トップクラス)のものもあります。

 偏差値70の高校ではなくても、他の出身校候補も60ほどの偏差値はありますし、元々の頭は悪くない。それどころか平然と中学入試を突破してそうなところを見ると、かなり良い方である可能性も高いです(中学受験失敗なんてよくある話ですからね)。

 

 偏差値30も学内だったのではないかとの疑念もありますし、慶応受験で関係ない国語などが致命的だっただけ可能性もあり、タイトルにある「偏差値30」もさほど当てにならないかもしれません。

 作中では「小学4年生レベル」という評価もされていますが、様々な試験を行って評価を下したわけではないですし、あくまで少ないサンプルを元に適当につけた評価の可能性が高く、そこまで当てにならないでしょう。

 

 坪田先生との出会い後にすごい勢いで知識を吸収しておりさほど理解で苦しんでなさそうなところや、暗記で苦しんでいる素振りがそこまでないことからしても、ポテンシャルはかなり高い方だったのではないかと推測されます。

 

 

○なんだかんだで家はそこそこ裕福

 家が貧乏だとそもそも3人兄弟の一番上の子を私立中学に行かせるという発想がないですし、妹も上智大学に進んでいるようなので、ビリギャルの家庭は少なくてもそこそこには裕福の家庭であったと思われます。

 

 貧乏だと私のようにいろんな人や社会に対して怒りや嫉妬を覚え、経済面が問題となり小さくないストレスもかかってきますが、そういう余計なストレスを抱えずに生き、普通に私立大学を目指せる環境にあったのが大きいでしょう。

 私のように「私立なんてふざけたこと言うな。うちは3人兄弟やぞ?」という家庭ではそもそも私立には行けないですからね。

 

 坪田先生なしには慶応合格もありえなかったわけですし、3年の夏とかではなく2年のときから塾に通うことができ、週6日(100万ぐらいかかったとか)個別指導を受けられたというのも大きな勝因だったわけで、財力があったのが大きかったと思います。

 

○見返してやるとの思いが強かった
 ビリギャルは、先生からクズ扱いされ父親からもぞんざいな扱いを受けており、「見返してやる」と言う思いが人一倍強く、それが大きなモチベーションになっていたことも合格の主要因の一つでしょう。

 

 あとは父に溺愛されており、野球で活躍していたと思われる弟への対抗心も強かったのではないかと思います。反骨心こそが合格の要因になったのではないでしょうか。

 

 

○母の支え

 母が見捨てずに塾に連れて行ったのがすべての始まりですし、ビリギャルの慶応合格は母なしには語れないでしょう。

 高校で煙草を吸っていて髪も染めている不良の娘など見捨てるのが普通ですが、ビリギャル母はパートをしてでも高い授業料を出し続け、常に味方であり続けていますし、母の力強い支えが慶応合格につながったといえます。

 

 子どもからしたら、散々問題を起こして親に迷惑をかけてきても支えてくれた母の期待に報いたいと強く思うのは当然ですし、本当合格の3分の1ぐらいは母の功績と言っても過言ではないかもしれません。

 

 

○先生が極めて優秀だった

 合格の3分の1は母の功績かもしれませんが、同じく3分の1ぐらいは先生の功績かもしれません。

 坪田先生はとにかくノリがよく普通ならドン引きで呆れるところでも乗ってきてくれますし、先生がいたからこそビリギャルは楽しんで勉強をして、成績を上げられたのです。

 

 アニメ、ゲーム、アイドルなどの話をして生徒の心を開く技術もすさまじいですし、とにかくモチベーションを上げてくれ「この先生のためにも受かろう」と思わせてくれる人が先生だったのが大きかったと思います(女子アナになれるかもとか、玉の輿狙えるとか言われたらそらモチベも上がりますね。)。

 

 

○本人がとにかく頑張った

 継続して長時間勉強し続けるのは大変なことであり、ましてや一度堕落した生徒が這い上がって今までの遅れをカバーするほど努力をするのは大変です。だいたいはそのまま堕落し続けていくものです。

 しかし、ビリギャルはギャルを辞め女を捨ててまで勉強に集中しましたし、一生懸命頑張ったのが一番大きかったのではないでしょうか。結局いくら周りがサポートしたところで、受験するのは本人ですからね。

 

 科目数の少ない試験というのは、ちょっとしたミスやラッキーで合否が変わるほど運要素も大事になってきますが、最後まで努力し続けて合格する確率を上げたからこそ合格の方の結果を引くことができたのではないでしょうか。

 合格率0%だと何回受けてもダメですが、合格率が50%なら2回に1回は合格できるわけですし、運しだいで合格できる実力を蓄えればあとは良い運を引くだけなのです。

 

 

○まとめ

 強引にまとめると、

・科目数が少なかった

・ポテンシャルが高かった

・お金もあった

・母の力強い支えがあった

・優秀な先生に出会えた

・とにかく頑張った

・(たぶん)運もよかった

 から合格できたのではないかと思います。

 適切な目標設定、努力の量と質、資質、環境、財力、運全てが絡み合ったからこそ1年で間に合ったのです。