なぜ高学歴の人は使えないと思われがちなのか
有名企業の社員や、官僚、政治家、学者などこの社会では高学歴の人間たちの活躍が目覚ましい。有名な企業には有名大学出身者(高学歴)の人間が多いし、有名な企業で良い役職についている人は高学歴ばかりだったりする。
それにそこまで有名とまでは行かない企業でも、高学歴の人の活躍は珍しいことではないだろう。あたかも普通のことのように高学歴の人の活躍は目立つ。
高学歴の人は世の中に少数なのに、明らかに成功率は高い。
なのに、ネットの世界でも実社会でも、「高学歴は使えない」と言われることは少なくありません。
一体何故なのでしょうか。少しばかり理由を考えてみました。
・期待度が高すぎる
高学歴の人間には、仕事ができる人が多いため、当然よく仕事ができる人であると期待されて採用されるのである。
企業であれば、幹部候補として考えられている人も多いだろう。
要するに、最初から期待度が高く、厳しい目で見られるのである。
野球選手なんかでも、期待度の高い主力選手は厳しい目で見られるものだし、ドラフト上位選手は活躍して当然という目で見られる。
例えば、日本ハムの大谷翔平選手なんかでもちょっと勝てなかっただけで「今年は投手としてダメだな」と言われたりする。実際にはリーグで一番多い投球回数で防御率もトップクラスであってもすぐに文句を言われるのである。
逆にさほど有名でない大学卒の人は、あまり期待されていないので、少し結果を出すだけでも「なかなかやるやん」と評価を得られる。
実際には同じぐらいの能力で同じぐらいの結果を出していても、期待していて厳しい目で見た場合と、上手くいけば儲けもの程度に考えながら見た場合とでは印象は当然違ってくる。
ドラフト1位がそこそこの成績を収めても、「まあこんなものか…」となるのに対し、ドラフト6位がそこそこの活躍を収めたら「よくやった!」となるのと同じである。
・同じ会社に入ってくる人は同じような能力
同じ会社に入社してきた人間はだいたい同じような能力をもった人たちだろう。有名大学の微妙な人材とそれ以外の大学の優秀な人材が混在しているのであると強く予想される。
要するに、高学歴の者が優秀でないのではなく、高学歴以外の者が優秀すぎるだけの可能性があるのだ。
人を評価するときには、どうしても比較の視点がでてくるため、有名大学卒でない人がそこそこ仕事ができれば、当然高学歴の人はそれ以上の仕事っぷりを求められる。
そのため、高学歴の人たちも、そうでない人たちと同じぐらいの能力しかなく、「思ったよりは使えないな」となってしまうわけである。
・はずれ人材を引いている。
高学歴の人間は優秀な人間が多いが、あくまで割合として多いだけで当然私のような外れの人間もいる。
高学歴の人は、記憶力、集中力、思考力、情報処理能力が高く、熱意にあふれているものなので、仕事でも活躍できる可能性は他の層より高めであるが、あくまで個人差はある。
当然、受験勉強が秀でていただけの残念な人だったり、コミュ力が絶望な人だったりもいる。仕事がそんなにできない人が少なくないのも当然のことなのである。
所詮、有名大学はプレミアムガチャ、それ以外の大学はノーマルガチャにすぎないのだ。プレミアムガチャにも外れはあるし、ノーマルガチャにも当たりはある。
そのため、人事が無能だったかだまされたかで、外れを引いてしまったということが考えられるのである。
・高学歴で使えないと目立つ
残念な大学の出身者で仕事のできない人は珍しくないだろうが、高学歴でダメだと期待度も高い分目立りやすい。
実際には、低学歴の方がダメな人が多くても、目立つか目立たないかでどうしても印象の残り方は違ってくる。
治安の悪かった戦争直後には重大犯罪がありふれていてあまり話題にならなかったのに対し、近年だと治安が良くなった分重大犯罪が目立って話題になり、治安が悪くなったと感じるのと同じことだろう。
・学歴コンプレックスの人が貶めている
高学歴でも仕事があまりできない人は当然いるし、高学歴でなくてもバリバリ仕事のできる人がいる。
結局、高学歴だろうとそうでなかろうと、仕事ができる人がいればできない人もいるのだ。
それなのに、残念ながらこの世には、「高学歴のくせにこんなのもできないのか」と人を馬鹿にして悦に入りたがる人も多いせいか高学歴で仕事のできない人ばかりがことさらに強調されがちである。
私のようにコンプレックスは捨てて、おとなしくすごい人はすごいと褒めればいいのだが、どうしてもそれができない人は多い。
隙あれば、高学歴の人を貶めようとする心無い人も世の中には多い。
そういう人たちのネガティブキャンペーンが強いというのも、高学歴は使えないという話がよく出回る理由の一つではないだろうか。
こんな感じでバイアスが入っていたり、高学歴というものを過大評価しすぎて残念な人を捕まえていたりするというのが実情ではないでしょうか。
私自身は残念な人側かもしれませんが、同級生や先輩後輩を見ていても有名な大学に行った人の方が仕事でもうまくいっている割合が多いように感じます。当たり率の高さ、平均値はさすがだと思わされます。
やはり、元々の諸々の能力が高く、熱意があり努力できる人というのは、どこの世界でも強いのでしょう。