語られない闇を語る

司法試験、大学受験、労働問題、社会問題などを中心に、あまり語られていない・語りつくされていない闇について語っていこうと思います。苦難と失敗から得た知見を曝け出していく予定です。

同じ「障害」であっても世間の反応は大違い 

 最近では、連日パラリンピックが話題となっていますが、そのパラリンピックを見ていて「やはり身体障害とそれ以外の精神障害とかとは反応が全然違う」、「身体障害については差別がかなり減ってきたけど、それ以外は…」ということを実感したので、その話をしたいと思います。

 

 

○身体障がいは足が動かない、手が動かないだけの人という認識になってきている

 車椅子テニスやバスケなどパラリンピックの競技を見ていると、身体障害を持たない人と同じかそれ以上に激しい運動をしている競技が少なくありません。

 身体障害でも思い切り激しくスポーツをしていますし、やや特殊なルールの下プレイしているだけで、「足が動かないとか手が動かないといったこと以外は本当健常者と変わらない」と実感している人も多くなっているのではないでしょうか。

 

 また、今ではニュースでも、別に身体障害だからと言って他のアスリートと比べて特異な扱いをすることはそれほどないですし、他のマイナースポーツと同じような扱われ方をすることが多くなっています。

 障害があるからと言って過度に感動ドキュメンタリーばかり作ることはあまりなくなってきているのです。

 

 身近にいる身体障害の人への社会の認識・反応を見ていても、ただ不便な箇所があるだけで、特に健常者と変わらないと考えてきている人がかなり増えているのではないかと思います。

 今時、「身体の片○落ちは精神の片○落ちなり」といった差別発言をするような人はかなり減ってきていますし、身体障害者でもゲスな不倫をすれば当然叩かれます。かわいそうな障害者だから批判してはいけないみたいなことは減ってきているでしょう。

 

 できることが大幅に限定され何の仕事もできないレベルの身体障害となると話は変わるのでしょうが、そうでなければ世間的には「不便なところがあるだけで健常者とさほど差がない」、「ただ足が動かなかったり手が動かなかったりするだけの人」という認識が広まっているように思われます。

 身体障害については、偏見や差別はかなりの程度マシになってきているのではないでしょうか。

 

 

○それに比べて精神障害は…ましてや知的障害となると…

 それに対して精神障害となると、まだまだ偏見や差別は強いですし、正しい認識・理解がされていないところが多いでしょう。

 例えば、薬で症状を抑えられる人が多くても、統合失調症躁うつ病などは「頭が狂った人」、「○チガイ」などと思われることが多いですし、ネットを見れば差別発言であふれています。

 それにうつ病などは、いまだに「ただ怠けている人」、「ただの甘え」とか言う人が多いですし、誤った認識をしている人が少なくありません。学のなさそうな人の戯言とWHOの見解のどちらが正しいかは一目瞭然なのですが、それでもまるで無理解の人は少なくないのが現状です。

 

 精神障害と聞いただけで、身体障害とは違って「関わりたくない」と思う人は少なくないでしょうし、投薬で改善できたとしても必要以上に「危ない人」、「リスクの高い人」とのレッテルを貼られがちです。

 就職という面でみても、身体障害とは受け入れやすさがまるで違うでしょう。

 

 ましてや知的障害となると、もはや腫れ物に触るように扱う人が極めて多いです。

 また、ネットでは「社会の役に立たないし、さっさと○せ」、「税金の無駄遣い。安楽死させるべき」みたいな言論も多いですし、いくらなんでも酷いと言いたくなるような扱われ方をされています。

 同じ「障害」であっても、比較的偏見の少ない身体障害とは全く違うのです。

 

 

発達障害、パーソナリティー障害とかを考えても…

 現代社会では、いくら学力があったり特殊な技能を身に着けていたりしていても、コミュニケーション能力が低いとそこが致命傷になって満足に職にありつけない羽目になりがちですし、いかにうまく社会生活を送れるかの能力がかつてより重要となってきいます。

 そういう社会においては、社会生活を送るうえで支障を来しやすい発達障害やパーソナリティー障害の人は特に生きにくい状況になりがちです。

 

 しかし、社会生活に支障をきたしやすいという問題があっても、日本では単なる性格の問題で済まされがちです。今では当事者を中心に少しずつ理解は広まってきているもののそれでもまだまだの状況です。

 少しの工夫で支障を取り除ける場合であっても、その術を本人も周りも知らないがために苦難が増えることはままあります。

 実はただのだらしない性格ではなく障害であって、適切な投薬によりミスを減らしQOLをぐっと上げられるのに放置されたまま、みたいな人もいまだに多いでしょう。

 

 政府の対策を見ても、発達障害の支援法ができたのはほんの12年前のことですし、支援の歴史は非常に浅いです。

 また、身体障害と比べると具体的な支援も厚くないですし、社会の認識もまだまだだなと思わざるを得ません。

 

 

○さいごに

 身体障害についてはだいぶ支援もされていますし、社会の反応もマイルドになってきていますが、それ以外の障害についてはまだまだ支援も浅かったり、偏見が酷いままだったり、正しい認識が広まっていなかったりで問題だらけだなと良く思います。

 身体障害についてはここまでマシになったのだから、もうちょっと他もマシにならないものなのでしょうかね。